電車内マナー

帰りの電車で私の隣に学生風女子が座りました。
その前に立つ彼氏。
無言でしばらく見つめあってたと思ったら、
おもむろに彼氏のほうが彼女の頭を撫で始め、髪を梳き、
果ては顎の下を猫にやるようにこちょこちょし始めた。
彼氏の、ちょっとぽっちゃりした手で髪を撫で梳く手つきは
非常にゆっくりとして、かつ、エロい感じ。
なんというか、エッチの後に
肩の上に乗った彼女の頭を撫でる感じっつーの??


もーーーーー……。キショイ!!!!


あまりの気色悪さに、胸がむかつきました。
私のその時の表情は、
えずいたのを耐えるような感じだったに違いない…。
口がへの字になってるのが自分でも分かったよ。
下手にチューとかされるよりも、よっぽど気持ち悪かった。

私はかなり夢中で『自殺へ向かう世界』(NTT出版)を
読んでいたのだけれど、
どうしても目の端に映ってしまうその行為が嫌で嫌で、
でもやっぱり本は読みたいし、仕方ないから
逆側に首を捻って本を読み続けようとしたんだけれど、
それでもどうしても視界に入ってしまって、結局、
瞼を閉じないと完全にシャットアウトできないことが分かり、
観念して静かに目を閉じたのでした…。
それでも瞼の裏に気持ち悪さが残るので、
仕方ないから思考を飛ばして色々考えてしまいました。

「場をわきまえる」。英語でいうと「TPO」。
これって物凄い大事なんだなー。
もしくは「公」。自分の部屋を一歩出たら、そこは皆の空間。
「公」の空間を勝手に「私」の空間にするのは、
とんでもない子供な行為で到底許容できないものなんだな。
あ、電車内での化粧を嫌がる人の気持ちってこういうのかな。
エッチなことはお布団のなかで、化粧は鏡台のまえで…。
彼らがああいうことを電車内で平気でできるというのは
どういう心持なんだろうか?考えうる理由としては、
?さほどエッチな行為とは思っていない→感受性の鈍磨
?2人だけの世界を相当ハイレベルな公の空間で
 つくれる能力がある→自閉症に近い周囲への無関心
?むしろ周囲に人が居て見てもらったほうが盛り上がる
 性癖を持っている→他人を道具にする図々しい人間
というところだろうか。何だよ、全部最悪じゃないか。
つーかさー…、女の頭はタイの子供の頭ぐらい神聖なんだよ。
2人だけのときなら別にいいけど、
人前で撫でられるなんて、プライドが許さん、プライドが。
ましてや、顎の下なんて……猫じゃねーんだよ!!!
待てよ、猫扱いされてむしろ嬉しいのかも、この女子は。
ぁー、友達になれねー、この女子……。

と、段々思考が低レベル化していったところで地元駅に到着。
への字の口のまま、下車したのでした〜。