社内DV

DVとはドメスティック・バイオレンス、夫婦・恋人間の暴力を指しますが、敢えて社内にたとえさせてください。

絶対服従を態度・言動で示し忠誠を誓っているようにみえ、もちろん命じられたことは何でもするとある女子社員に対し、1時間ごとにクルクル機嫌が変わるとある男性社員は自分の機嫌が悪いときは鬱憤晴らしに、その女子社員に対して言葉の暴力を思う存分振るいます。さながら彼女は彼のサンドバック。仕事にかこつけてネチネチと責め立てるのはまだマシ。今日は受け答え方が気に食わない、とボコボコにしてました。

結局、彼女が泣いて終わる(謝る)のが定番なのですが、その様子はフロアで有名で、一番上の上司はあちこちから彼と彼女の異常な関係を報告されています。報告があるたびに報告者をなだめ、その一番上の上司(部長)は彼女を慰め、彼を呼び出して取りあえず経緯を聞きます。彼は言うわけです。


「誰ですか、そのことを部長に告げ口(!)したのは」
「これは2人の問題(!)です」
「アイツが仕事がなってないから」「甘ったれてるから」
「アイツが悪い」「アイツが悪い」……。


とにかく職場で他人を泣かせるのはおかしいし、他人を叱るのに、その場で大声で叱るのでは叱られる側のプライドも傷つくし、他人にも迷惑――。そういった意味合いで一番上の上司は彼に「とにかく別室に呼ぶとか、配慮をしろ」と言ったそうです。

そして、結果、どうなったのか。

彼は胸糞悪いときに彼女をいつでも別室に呼び出して人に知られることなくボコボコにできるようになりました。もちろん、彼は彼女を「叱って」いるわけではありません。気分でボコボコにしているだけです。たまたま彼女が特別仕事がデキるわけではなかったので、「叱る」と見せかけることができているだけです。そのうえ彼女はすぐ泣く性格なので、彼女の涙も大した価値がなくなってしまっている。でも、このような状況になっても彼女は彼の悪口を言わない。従順な性格だから?自分だけが悪いと思い込んでいるから…?

……。

実は、彼の「機嫌」には周期がある。思いっきり彼女をボコボコにした後は、大抵、反省して他人に意見を求めてみたりし、彼女に優しくします。あれ?でもまた彼女のやることなすこと気に食わないみたい。あれ?また彼女をボコボコにしているよ?あ、反省しているみたいだね…。

そうです。DVでいうところの、緊張期→爆発期→ハネムーン期の周期がはっきりあるのです。彼女の様子も、DV被害者によく見られる「共依存」の状態によく似ています。この状態に他人が介入しても、被害者はボコボコにされてパニック、一方、加害者側は冷静に「アイツが悪い」「コイツ泣いてばっかりで」と弁が立つ、という状態で、加害者側の尻尾を掴むことはできません。

彼女は確かに仕事ができない。生意気なところもある。が、だからといって、気分次第でボコボコにされていいわけがあるでしょうか?

オイ、●●。彼女が泣いて謝るのが、快感なんだろう?この、人でなし!