相談力

私は人に相談することが苦手なタチだ。


高校進学も大学進学も上京も就職も転職も(そして恐らく結婚も出産も死ぬのも)、基本的に自分で決めてきた(決めるだろう)。決めたことを後悔することがあったとき、アドバイスをくれた人を恨まないですむように、「誰のせいでもない、自分のせい」と思えるように、という気持ちもあって親にも相談しなかった。実際、私にとって大学進学は最悪の失敗だったけど、親を恨むようなことはせずにすんだし、逆に「自分のせい」「自分が弱かったせい」と思う気持ちが「なんとかせねば」と、もがく原動力になったと思う。

でも仕事を始めてから、ある転換点を迎えて他人に素直に助けを求め、「しょうがないな」と手を差し伸べてもらうのも才能のひとつ、と思うようになった。むしろ、ひとりで勝手に退路を断って悶々とするのは却って迷惑。何でも自分でできると思っている青い態度である。

そして、経験のある大人な人々は「こうしたいのにできない。私はどうすればいいだろう?アドバイスをください」と素直に相談してくる年下に対して、非常に寛容なことに気付いた。もっと早く気付きたかったよ…!といってもせんないので、「どうしたらいいか分からない!」と思ったら、最近は信用できる年上の人たちにどんどん相談するようにしている。とっても有意義なアドバイスをくれるから、心強い。肩越しに逞しい腕がすーっと伸びてきて、「あっちだよ」と指を指して進むべき道を指し示してくれる感じだ。

この2日間で真っ白になっていた頭に“やるべきこと”が戻ってきたのも、信用できる年上の方々のおかげ。感謝!もう私も28歳ですから、相談に乗る側にもなっていきたい。上から回ってきたものは、下へ回していく。頑張ろう。